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『New World』(原題)を手がけたAmazon Gamesスタジオが、MMOへの強い熱意とともに『ロード・オブ・ザ・リング』プロジェクトに挑む

2023/05/15

Embracer GroupおよびMiddle-earth Enterprisesとの緊密な協力の下、Amazon Gamesのオレンジカウンティスタジオは、『ロード・オブ・ザ・リング』の世界を元にした新作多人数同時参加型オンライン(MMO)ゲームを開発します。本作は、J.R.R.トールキンによる原作小説「ホビットの冒険」と「指輪物語」三部作で描かれる「中つ国」を舞台にしたものになります。

社内スタジオの一つが外部IPベースのゲームの開発を指揮するのはAmazon Gamesにとって初の試みです。チームはトールキンの代表作によって確立された豊かなファンタジーの世界を可能な限り忠実に再現しようとしています。チームにはもちろん、『ロード・オブ・ザ・リング』に強い思い入れを持つ、優秀な開発者たちが揃っています。

世界屈指のファンタジー作品のフランチャイズを、広大でプレイヤー同士がつながるデジタル世界に構築するという構想は、Amazon Gamesのオレンジカウンティスタジオのディレクター、リッチ・ローレンス(Rich Lawrence)氏にとって非常に刺激的な挑戦です。また、これは彼と彼のチームにとって重大な責任も意味します。

「このような作品を扱う際に最も重要なことは、作品に敬意を持ち、忠実であることです」と、ローレンス氏は語ります。「『ロード・オブ・ザ・リング』のファンが初めてこのゲームをプレイしたときに、『このゲームは、自分が思い描いている世界とまったく同じ世界に住む大勢の人々が作ったものだ、よくわかっている』と思うほどでなければなりません」

「私たちはこの世界観をよく理解しています。そして、このチームで働くメンバーは皆、この仕事を楽しんでいます」と彼は続けます。「私たちは皆さんと同じで、作品のファンであり、ファンとして楽しめるゲームを作りたいと思っています」

『New World』のチームにふさわしいタイトル

このチームが、Amazon Gamesの初のヒット作『New World』を手掛けたスタジオであることは、大きな利点です。『New World』は、大規模な攻城戦、革新的な探索要素、スリリングな超自然的な力による侵略、そして美しく多様な自然環境を特徴とするオープンワールドの多人数同時参加型オンラインRPG(MMORPG)です。

オレンジカウンティスタジオによる『ロード・オブ・ザ・リング』の新作ゲームは、『New World』とはかなり異なるものになりますが、開発にはこれまでに得た知識と教訓が活かされます。『New World』は、2021年9月のローンチ時に大きな反響とエンゲージメントを獲得し、ローンチ時点ではSteam史上5番目に多くの同時接続数を記録したゲームとなりました。同作は2022年9月に1周年を迎え、2022年10月のコンテンツアップデート「Brimstone Sands」ではSteamで最も多くプレイされたPCゲームトップ10に返り咲き、現在も活発なコミュニティが継続しています。

同スタジオは、この『ロード・オブ・ザ・リング』の新作プロジェクトを本格的に開始すると同時に、『New World』のサポートも引き続き行います。チームは大規模なものとなりますが、MMOを構築し、維持するための実用的で実証済みのアプローチをすでに開発しており、プレイヤーのフィードバックに耳を傾けつつ、複数のプロジェクトを並行して管理することに問題はありません。

『New World 2.0』にはならない

『New World』の成功と、人気MMOを立ち上げて維持するためにスタジオが学んできたあらゆることを、オレンジカウンティのチームはとても誇りに思っています。しかし、今回の『ロード・オブ・ザ・リング』のゲームでは、まったく新しい、他とは異なる体験を実現しようとしています。

ローレンス氏は次のように述べています。「このゲームは、原作から得られる価値と楽しみを体現したものになると思います。『ロード・オブ・ザ・リング』にふさわしい、この作品のためだけに作られたゲームになります」

しかし、これはチームがまったくゼロから開発を始めるという意味ではありません。プレイヤーも開発者も分かっている通り、MMOを作るのは非常に困難なことです。それでも、オレンジカウンティスタジオにはすでに実証された技術的成果があります。また、『New World』では多数の新機能が開発中です。その基盤に加えて新たな革新が組み合わされることで、バーチャルな中つ国の体験を創出するための説得力を持った環境を提供するでしょう。

たとえば、『New World』では数十人のプレイヤーが同じインスタンス内でシームレスに大規模な戦闘を行うことが可能になりました。このような技術は非常に複雑であり、ビデオゲームでは珍しい特徴です。こうした技術は、大規模な戦闘が繰り広げられることで有名なトールキンの「第三紀」に間違いなく応用が利くものです。実際、このゲームの開発で、スタジオは『New World』で成功した多くの要素を、数年分の技術進歩を取り入れながら再検討し、『ロード・オブ・ザ・リング』に応用する新しい機会を得ることができるでしょう。このゲームの基礎には『New World』のAzoth Engineが採用されますが、オレンジカウンティスタジオはこのエンジンをさらに発展させ、『New World』とは異なる、中つ国の世界にふさわしいものにする計画を進めています。チームは次世代の『New World』のAzoth Engineに対して大きな計画を持っており、それは中つ国を描くための新たな可能性の扉を開けることになるでしょう。

「私たちを信頼してもらえたことを光栄に思い、感謝しています。最高の『ロード・オブ・ザ・リング』MMOを作り、世界中の何百万ものファンに本当に喜んでもらえる作品にしたいと考えています」- クリストフ・ハートマン(Christoph Hartmann)氏、Amazon Games、バイスプレジデント

一度は断念したプロジェクトへの再チャレンジ

もしかすると、Amazon Gamesが以前『ロード・オブ・ザ・リング』を原作としたMMOを開発しようとしていたことを覚えている方もいるかも知れません。この時、Amazon Gamesは共同開発を目指していましたが、残念ながら失敗に終わりました。『New World』が成功を収めた後、Amazon GamesとMiddle-earth Enterprisesは新たなコラボレーションについて協議し、トールキンの小説を原作としたMMOの実現にはオレンジカウンティがベストであるという結論に達し、新しい契約を結びました。

「世界で最も愛されているファンタジー作品の一つを原作とするMMOの開発というチャンスを得たことはとても楽しみでしたが、最初の契約が最終的に失敗に終わったのは残念でした」と、Amazon Gamesのバイスプレジデントであるクリストフ・ハートマン氏は述べています。「私たちはトールキンの世界とそのゲーム化のプロジェクトを非常に気に入っていたので、いつか再びチャレンジできる日が来ることを信じていました。ですから、Embracer GroupとMiddle-earth Enterprisesの皆さんが正式にゴーサインを出してくれた時は本当に嬉しかったです」

「私たちを信頼してもらえたことを光栄に思い、感謝しています」と、彼は続けます。「最高の『ロード・オブ・ザ・リング』MMOを作り、世界中の何百万ものファンに心から喜んでもらえる作品にしたいと考えています」